高校・大学の自転車競技部に入るなら知っておきたい!ロードバイクの選び方【元競技部スタッフが解説】

春といえば新生活の季節ですね!
この記事では、4月に高校・大学に入学したら自転車競技部に入部しようかな~と考えている方向けに、どんなロードバイクを選べばいいのか、選ぶ基準や理由をご説明します!
筆者である、さいたま大宮店のスタッフ猿田は大宮からも比較的近い栄北高校の自転車競技部出身でして、高校・大学・社会人になってもレースに携わってきた立場として経験も踏まえてお伝えできればと思います。
ぜひ親御様にも一読していただき、ご購入の一助になれば幸いです!
最初の一台の選び方
何を基準にレースバイクと言っているのか
ロードバイクは近年ですと様々な用途に使用される方が増えており、レースだけでなく、荷物を沢山積んでツーリングをしたり、荷台や泥除けを付けて毎日の通学通勤にしようしたりです。
自転車メーカーもより色々な用途に対応するために車種を細分化していて、ロードバイクという呼び方のなかにも、さまざまなジャンル分けがされている印象を受けます。
では、レースに使えない車種もあるの?というと、正直どんな車体でもレースには使えてしまうんです!
しかし、レースを想定した車種を選んだほうが色々と有利になったり、不都合が起きにくいですよ~というお話ですね!
というわけで、余分な装備を無くしてレースで使う事を想定して作られた車種やグレードをざっくりとレースバイクと称しています。
レースに特化していない車体では泥除けやキャリア、バッグを取り付ける為のネジ穴が装備してあって、レース系車体にはない機能です。


初心者向けとは?
どんな趣味でもまずは初心者向けの物を入手するというのが誰しも真っ先に思いつくことかと思います。
しかしそれをロードレース(自転車レース)に当てはめるとなかなかしっくりこない考え方とも言えるのです。
それはロードレースという競技の特性が大きな理由です。ロードレースという競技の本質とは、ざっくりいってしまうと勝負所まで脚力を温存して、ココ一番という場面で力を発揮することを競うスポーツということ。
機材を使用するスポーツである以上、良い道具はやはり良い成績に繋がりやすいというのは面白さでもあり、非情でもあると感じますね。
そういう意味では単純な価格の安さ=初心者向けではなくある程度周りと比べてマイナスにならない一定以上の性能面で選ぶことは大事です。
現実的に考えると中価格帯~がレース向けバイクとなることが多いです。

アルミ?カーボン?どっちを選ぶべき?
現在販売されているロードバイクの主な素材はアルミとカーボンとなっています。
特殊な例を除いてアルミ素材の方がお手頃で、カーボン素材の方が価格は上になります。
もちろんご予算が許すのであればいい機材を使えるに越したことはありませんが
正直、フレーム素材はどちらでも大丈夫です!!
壊してしまった時の事を考える!?
恐くなってしまうことを書く事になってしまいますが、自転車レースにおいて、転倒クラッシュは誰しも経験するであろうトラブルです。
実際筆者の猿田もレース中の落車は数回経験しています。
落車のその度に直面するのが、機材の破損です。
運が良ければパーツに傷が入るぐらいで済んだりしますが、最悪の場合フレームは使えなくなってしまい、乗り換えということも少なくはない現実です。
そこで考えるべきは、やはり高額な機材はショックが大きいということです!!
一度の転倒、破損で競技生活を終わりにしてしまうのは非常に勿体ないお話ですので、最高級の物を選ぶ必要も絶対ではなく、壊れた時にすぐに立ち直れるぐらいの機材選択も重要かと思います。(とはいえ高価なものですが...)
ちなみにTREKのブランドには万が一自転車が修理不能な状態になってしまった場合に、店頭でご相談いただければロイヤリティプログラム(保証)にて新車を特別価格でご用意できる制度もあり、競技者には非常に安心感があるのでおススメです!
また、TREKカーボン製のホイールに関しては、購入から2年以内に破損させてしまった場合、無償で修理、交換が受けられるプログラムも付属します!
注目すべきはパーツのグレード感
TREKのバイクでは5グレード以上がオススメ!
各メーカーごとに車種や付属してくるギヤやブレーキ等のパーツグレードの表記の仕方は様々ですが、TREKの車体名はこんな感じになっています。
表記の例
Emonda 車体モデル名
ALR フレームの素材 (SL=カーボン)
5 パーツのグレード感 (TREK内で最高グレードは9)

この車体名の最後に付いている数字に注目してください!
数字が上がるごとにいわゆる良いパーツになっていきます。
レースバイクとしてオススメしたいグレードはズバリ5以上です!
なぜ5グレード以上なの?
TREKの車体ですと5グレードというものは、シマノ製のパーツでいう105(イチマルゴ)グレードというパーツ一式が付いてきまして、このグレード以上はすべて同じギヤの変速段数になっているんです。(2025年3月時点)
現在販売されている車体ですと前2段・後12段というのがいわゆる最新式のスペックになっています。

以下ではなぜこの105グレード以上をオススメするのか理由をご説明しますね!
①105グレード以上はパーツとしての強度がしっかりしている!
レースに参戦すると分かるのですが、周りの速いペースに合わせて息は絶え絶え!意識は今にも飛びそう!というぐらい普段とは違う、限界領域を体験することになるでしょう...
そんな時には大体の場合、荒々しく無理やりギヤチェンジをすることになるんですよね。
力をグイグイかけながら少々無理やりな変速をしても壊れにくいのが105グレード以上ということです!
仮にエントリーロードバイクに付属パーツグレードで無理やり変速を行うと高確率で脚力に負けてしまい、変形してしまうことが多々見られます。整備費用を抑えるという意味でも初期投資をするメリットが大きいです。
見た目は同じように見えますが、金属が硬く、手で押したりしてみるとしなりで差を感じます。上が105グレード、下はClarisロードエントリーグレード


②レース中のトラブル対応を考える必要
自転車レースにおいて、大敵なのがレース中のパンクです。
出場するレースレベルにもよりますが、パンクをしたら、パンク修理はせずに車輪ごと予備のものにササっと交換してレースに復帰することを目指します。

予備の車輪を誰が用意するかにもよりますが、レベルの高いインターハイや選抜大会、全日本選手権等では大会側もサポートカーという車に予備の車輪を用意することもあります。
この時、まず優先的に用意するとしたら、一番普及しているギヤ段数の車輪ということです。さらにディスクブレーキの割合も増えています。(TREKは現在100%DISC車)
簡単に言うと2×12段変速のシマノ用の車輪ですね!もしかすると一世代前の2×11段の物も用意があるかもしれませんが時間の問題でしょうか...
昨年の2024年インターハイ、テクニカルガイドを参照しますとディスクブレーキの大きさにも注意が必要です。
前ローター径:160mm 後ローター径:140mmを標準として考えているようです。
こちらは少し難しいお話ですので、ご購入時はしっかりご説明させていただきますね!
③定期的なメンテナンスが重要
高校自転車競技部では一般的な乗り方とは比べ物にならないぐらいの走行距離を走ることになるでしょう。
ご自身では洗車やチェーンへの注油を是非行って頂きたいのですが、それでも定期的に私達バイクショップでの点検で自転車を拝見させて頂ければベストな状態を維持できると思います!
バイクプラスではご購入後の点検作業はいつまでも無料となっています!
バイクプラスの修理・メンテナンスサービスの詳細はこちら
現実的に起こるメンテナンスの例としては、数年前に発売された中古車をお持ち込み頂いた際に、付いているパーツが古く、直したくてもパーツの生産が終了してしまっていたりで大分困ってしまい修理金額が思ったよりかさんでしまった。という事例もありますので高校3年間しっかりと競技に打ち込むならば新車最新のパーツがセットされているものをオススメいたします。
メンテナンス系記事はコチラ!
高校生競技特有の注意点もある!?
U17ギヤ比制限
日本の自転車レースを統括しているJCF(日本自転車競技連盟)の競技規則2024年版によるとアンダー17(16歳以下)の年齢ですと大人用の重たいギヤを使用できないというルールがあります。
具体的には一番重たいギヤで脚を一回転させた時に進む距離が7.01mまで
というような決まりがあります。

ご参加される大会によってこのルールを適用するのかどうか確認した方が良いですね!
また、この大元のルール自体も改訂されることもありますので定期的にチェックです!
もしもこのルールに従う大会に出る場合で、16歳以下の場合、ギヤをカスタムする必要がでてきます。お困りの際はご相談ください!

しかし!現在主流の2×12段変速のパーツにおいて、そういった軽いギヤを実現することが流通パーツ的になかなか難しく、現実問題このルールは適用されていない大会が多いようです。とはいえルールは事前に確認するに越したことはないですね!
コレ間違いない!おすすめバイク3選!!
Emonda ALR 5 Disc (税込¥320,000円)

まずはレースバイクの中で一番ベーシックと言ってもいい、エモンダALR5です!
こちらはメインフレームは軽量アルミで出来ており、フロントフォークがフルカーボンという仕様ですね!カーボンに匹敵するぐらい軽量でよく進みます。
パーツにはシマノ105グレード。機械式変速の2×12段変速となっており、まさにこれを選んでおけば間違いない!!という車体構成になっています。

シンプルかつ、溶接も綺麗なこのバイクはとにかく作りが素晴らしい!
シンプルな作りは整備性にも優れており、まさに自転車競技部にはピッタリだと思いますね~

カスタム次第ではどんなレベルの走りも出来てしまうのでこれ一台でずっとOKです。


より詳細なブログも公開中ですので是非読んでみてください!
・エモンダ ALR5 徹底レビュー|最強軽量アルミロードを語り尽くす!
Madone SL 5 Disc (税込¥449,000円)

続いては車種が変わりまして、マドンSL5というバイクです。SLとはフレーム素材がフルカーボンであることを表しています。
また、マドンという車種はエモンダと並ぶレース系バイクですが、マドンはより高速なシシュエーションも得意とするTREKのフラッグシップモデルです!
カーボンモデル特有の形状は空気抵抗を削減し、より体力を温存することができますので結果に直結してきます。

パーツは前述エモンダALR5と同じシマノ105グレードです。

カーボンモデルはアルミに比べて高価にはなりますが、やはり速いです!ご予算が許すのであれば最初からカーボンモデルというのもアリですね~
ちなみにホイールはアルミのホイールがついており、カーボンホイールにするとより速くなります!

Madone SL 6 Disc (税込¥720,000円)

最後に前述のマドンSL5と同車種、グレード違いのマドンSL6をご紹介。
正直お値段がかなり上がってしまうのですが、それには訳があります。

このSL6グレード以上のモデルには、105グレードの電動変速ギヤが搭載されています。これは手元のシフトレバーと変速機本体がワイヤレスの電波でつながっており、とにかく変速が素早く正確なんです!

SL5以下のモデルに搭載のワイヤー式変速と比べると年一のワイヤー交換がそもそも不要になったり、シフトワイヤー(ギヤ)の劣化やサビによる変速性能の変動もほぼ考えなくて良くなり、結果的に経済的ともいえます。

また、ホイールには元からカーボンホイールが装着されており、このままレースでいい成績を狙っていけるスペックになっています!

マドンSL5・6関連記事はこちら!
・速い!軽い!快適!バランス最高なMadone SL Gen8 スタッフインプレ
まずは気軽にお声がけください!
ここまでご覧いただきありがとうございます!
自転車本体の選び方についてご紹介しましたが、実際に揃えなければいけない物は他にもヘルメットやシューズ、ペダル、空気入れetc結構揃えなければいけないものもあります。
また、自転車というスポーツは機材を使ったスポーツでありますので、乗り手お一人お一人に合わせて使う物を選んでいくことで、よりいいパフォーマンスに繋がります!
もしかすると自転車屋さんって少し緊張するかもしれませんが、ぜひお気軽に私達バイクプラスのお店にお越し頂ければと思います!

学生自転車レースって最高なんです
最後に
自転車競技部って他の部活動に比べたら少しマイナーな存在ではありますが、その分皆ゼロスタートでもあります!頑張り次第では全国大会出場も経験できてしまいます!
しかし、全国レベルになると同い年の中にも強者は存在していて、それは努力だったり、才能であったり...ぜひ自分は初心者だから...なんて思わずガンガン上を目指して楽しんで頂きたいと思います!
最高の人生経験になるはずです。
余談ですが、着実に結果を残した選手たちにはしっかり、次のステップが自然と見えてくるものです。国内で結果を出せば海外のレースに日本を代表して走ることも!
世界的に近年ではプロ選手の若年化が進んでいて、高校卒業と同時にプロ契約という事も現実として起こっています。要は才能と頑張り次第ですね~
それでは一日一日を大切に競技を楽しんでください!機材のことなら私達バイクプラスを頼って頂ければと存じます!それでは!
Madone 最新モデル
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